接客力向上顧客体験店舗運営

「問診」になっている接客を「提案」に変える聞き方

「ご予算はどのくらいですか」「いつ頃ご入用ですか」「色のご希望は」。接客のマニュアルどおりに質問しているのに、お客様の表情が固くなっていく。店舗を見ていると、この場面に何度も出会います。質問の数は足りています。足りないのは、質問の目的です。情報を集めるための質問は、お客様にとって「問診」です。病院の問診票を埋めるときに、楽しい人はいません。

問診と提案の違いは、質問の向き

問診の質問は、店側が知りたいことを聞きます。提案の質問は、お客様が自分の希望に気づくために聞きます。たとえば「色のご希望は」ではなく、「普段よく着る色はどんな色が多いですか。今日は、その延長で選びたいですか、少し変えてみたいですか」。質問の形は似ていますが、後者はお客様が自分の気持ちを整理しながら答えます。答えた瞬間に、お客様の中で「今日の買い物の目的」が決まります。

聞き方を変える3つの工夫

  • 「はい・いいえ」で終わる質問を減らし、「どんな」「どういうときに」で聞く。お客様が話す量が増え、本音が出やすくなります
  • 答えを受け取ったら、一言添える。「それなら、こういう場面も多そうですね」。お客様は「分かってもらえた」と感じ、次の提案を聞く姿勢になります
  • 質問の最後に、お客様の言葉で希望を言い直す。「今日は、仕事でも週末でも使えて、少しだけ雰囲気を変えられる一枚ということですね」。ここまで来ると、提案は商品の説明ではなく、お客様の希望への答えになります

一人のうまい接客を、店の標準にする

接客がうまいスタッフは、どの店にも一人はいます。その人の聞き方を観察すると、質問の順番と言い回しに型があります。IDEA VISTAでは、その型を言語化し、ロールプレイで全員が体に入れるところまで行います。覆面調査で「今の接客がお客様からどう見えているか」を把握してから始めると、スタッフ自身が変える理由を納得できます。

まとめ

接客が問診になっているとき、足りないのは質問の数ではなく、質問の目的です。「情報を集める」から「お客様が自分の希望に気づく」へ、聞き方の向きを変えるだけで、同じ質問が提案に変わります。自店の接客が今どちらになっているかは、覆面調査で確かめられます。ご一緒できます。

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